「3社から見積もりを取ったのですが、金額がバラバラで、どう比べればいいのか分かりません」—— 制作を検討中の方から、最も多くいただくご相談です。

そして残念ながら、そのあとに続くのがこちらです。 「安いところに頼んだのに、結局あれこれ追加になって高くつきました」。

原因はほぼ例外なく、見積書に「書かれていなかったこと」にあります。 この記事では、見積書を受け取ったときに確認すべき7点を、そのまま送れる質問文つきで整理します。

先に結論:見積書は「金額」を読むものではなく、「どこまでが含まれるか(範囲)」を読むものです。金額の比較は、範囲を揃えたあとで初めて意味を持ちます。

大前提:金額だけを見ても比較にならない

A社は30万円、B社は15万円。この時点では、B社が安いかどうかは判断できません。

A社の30万円には写真撮影と原稿作成が含まれていて、B社の15万円は 「お客様から支給された文章と写真を、テンプレートに流し込む作業まで」かもしれません。 この場合、B社に頼んでから原稿と写真を用意できず、 結局オプションで発注して合計35万円になる、ということが起こります。

ホームページ制作は、車や家電と違って「同じ商品」が存在しません。 だからこそ、範囲の確認がすべてです。

チェック1:「一式」表記になっていないか

見積書で最も注意すべきなのが、この2文字です。

危険な見積書

ホームページ制作一式         1式   300,000円
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合計                     330,000円(税込)

安心できる見積書

ディレクション・構成設計       1式    50,000円
デザイン制作(トップページ)     1式    80,000円
デザイン制作(下層ページ)      4ページ  60,000円
コーディング・スマホ対応       5ページ  70,000円
お問い合わせフォーム設置       1式    20,000円
初期SEO設定・アクセス解析設置     1式    20,000円
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小計                     300,000円

分解されていれば、「フォームは不要なので外してください」「下層を3ページに減らしたらいくらですか」といった相談ができます。 「一式」のままでは、減らしようも比べようもありません。

「一式」が出てきたら、遠慮せず「内訳をいただけますか」と聞いてください。まっとうな会社なら、必ず出せます。出せない、あるいは渋る場合は、その理由を確認したほうがよいサインです。

チェック2:ページ数の数え方が合っているか

「5ページ」という表記でも、会社によって数え方が違います。

  • トップページを1ページに含めるのか、別枠か
  • 1枚の長いページをスクロールする形は、何ページ扱いか
  • お問い合わせフォームと、送信完了画面は別カウントか
  • プライバシーポリシーなどの規約ページは含まれるか
  • ブログ(お知らせ)機能は、ページ数に含まれるのか別料金か

特に最後のブログ機能は、あとから「更新機能は別途15万円です」となりがちな項目です。 自分で更新したいのであれば、必ず最初に伝えて見積もりに入れてもらってください。

チェック3:原稿と写真は、誰が用意するのか

追加費用のトラブルで、最も件数が多いのがここです。

項目 確認すべきこと
文章(原稿) お客様が全文用意するのか、ヒアリングをもとに制作側が書くのか。書いてもらう場合は何ページ分まで含まれるか
写真 お客様が撮影・支給するのか。プロ撮影は含まれるか。含まれるなら何カットまでか
素材写真 有料素材を使う場合、その購入費は見積もりに含まれているか
ロゴ 新規作成が含まれるか。既存ロゴのデータ形式(イラストレーター形式など)が必要か

安い見積もりの多くは、「原稿・写真はお客様支給」を前提にしています。 それ自体は不誠実ではありません。問題は、それが明記されていない場合です。

自分で用意する場合に何が必要かは、 原稿と写真は誰が用意する?依頼前に揃えておくものリストにまとめています。

チェック4:修正は何回まで、どこまでが「修正」か

「修正2回まで」と書かれていても、何をもって1回と数えるかが問題です。

  • デザイン案は何案出してもらえるか(1案のみか、複数案から選ぶのか)
  • 「文字を直す」のと「デザインを作り直す」のは、同じ1回として数えるのか
  • 修正の回数を超えた場合、1回いくらか
  • 公開後の修正は、月額費用に含まれるのか別料金か

ありがちなのが、デザインを承認したあとで「やっぱり全体の雰囲気を変えたい」となるケースです。この段階での作り直しは、どの会社でもほぼ確実に追加費用になります。デザイン確認の段階で、遠慮せずに違和感を伝えておくことが、結果的に費用を抑えます。

チェック5:公開後にかかるお金が書かれているか

制作費だけを見て契約すると、公開した翌月から想定外の請求が始まります。 次の項目が、誰の負担で、いくらかかるのかを確認してください。

項目 確認ポイント
サーバー代 月額に含まれるか、自分で契約するか。自分で契約する場合の目安額
ドメイン代 年間いくらか。更新を誰が行うか(失効するとサイトが表示されなくなります)
SSL証明書 無料のものが使われるか、有料か
保守費用 何が含まれるか(バックアップ・システム更新・障害対応)
更新代行 月に何回・何箇所まで含まれるか。超えた場合の単価
WordPressなどの更新 本体・プラグインの更新を誰が行うか(放置は改ざんの原因になります)

維持費の相場感は ホームページの維持費はいくら?月額費用の内訳と相場で詳しく解説しています。

チェック6:所有権と、解約時の扱い

制作を始める前に確認すべき、最も重要な項目です。 ここを曖昧にしたまま契約すると、数年後に会社を変えたくなったとき、身動きが取れなくなります。

  • ドメインの名義は誰か(自分の名義になっているか)
  • サーバーの契約者は誰か
  • 解約時に、制作したデータを引き渡してもらえるか
  • 引き渡しに費用がかかるか、かかるならいくらか
  • 最低契約期間と、期間内解約の違約金
  • 写真や文章の著作権・利用範囲(チラシに転用してよいか)

特に月額制のプランでは、「解約するとサイトが消える」形のものがあります。それ自体は仕組み上あり得ることですが、契約前に知っているかどうかで判断が変わります。必ず確認してください。詳しくはホームページ制作会社を乗り換えたい|ドメイン・データの所有権と引き継ぎの注意点をご覧ください。

チェック7:納期と支払い条件

  • 公開までの期間の目安(「◯週間」なのか「◯ヶ月」なのか)
  • その期間は何を起点に数えるのか(契約日か、原稿と写真が揃った日か)
  • 支払いのタイミング(着手時に何割、公開時に何割)
  • 制作が中断・中止になった場合の精算方法

納期については、「原稿と写真が揃ってから◯週間」と書かれているのが実は誠実です。 素材が揃わなければ、どの会社でも作業は進みません。

安すぎる見積もりの見方

「初期費用0円」「月額3,000円」といった見積もりが悪いわけではありません。 その価格が成立している理由を確認すれば、判断できます。

安さの理由 判断
テンプレートを使い、デザインを作り込まない 問題なし。納得して選べば合理的です
原稿・写真をお客様が用意する前提 問題なし。ただし自分で用意できるか要確認
ページ数が少ない(1ページ完結など) 問題なし。目的に合っていれば十分です
長期契約が必須で、途中解約に違約金がある 要注意。総額と拘束期間で判断してください
ドメイン・データが制作会社の所有になる 要注意。将来の乗り換えが困難になります
理由が説明できない、質問すると話をそらされる 見送りを推奨します

逆に高い見積もりも、理由が説明できるなら妥当です。 撮影が入る、原稿をライターが書く、更新の運用まで見る。 金額の大小ではなく、説明できるかどうかで見てください。

相見積もりの正しい取り方

比較したいなら、全社に同じ条件を渡すことが絶対条件です。 会社ごとに違う話をすると、比較不能な見積もりが3通届きます。

次の内容をメモにして、同じものを各社に送ってください。

  • 業種と事業内容、ホームページを作る目的(問い合わせを増やしたい、求人したい、など)
  • 希望するページ構成(例:トップ/サービス/料金/会社概要/お問い合わせ)
  • 自分で更新したいか、してもらいたいか
  • 原稿と写真を自分で用意できるか
  • 予算の上限(言ったほうが、範囲を調整した提案が返ってきます)
  • 希望する公開時期

予算を伝えると足元を見られる、と心配される方がいます。実際には逆で、予算を伝えないと各社が勝手に想定するため、比較にならない見積もりが返ってきます。「30万円くらいで考えていますが、その範囲でできることを教えてください」と伝えるのが最も効率的です。

そのまま送れる質問文

見積書を受け取ったら、次の文面をコピーして送ってみてください。 この質問への返答の速さと丁寧さが、そのまま公開後の対応の予告編になります。

確認メールの文例

お見積りをありがとうございました。判断のため、以下について教えていただけますでしょうか。

1. 文章と写真は、こちらで用意する前提でしょうか。制作いただける場合、追加費用はいくらになりますか。
2. ページ数の数え方について、お問い合わせフォームや規約ページは含まれますか。
3. デザインの修正は何回まで可能でしょうか。超えた場合の費用も教えてください。
4. 公開後にかかる費用(サーバー・ドメイン・保守)の合計は、年間いくらになりますか。
5. ドメインとサーバーの契約名義は、こちらになりますか。
6. 解約する場合、制作データを引き渡していただけますか。最低契約期間はありますか。
7. 公開までの期間の目安と、その起点を教えてください。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

まとめ:金額より「範囲」を読む

  • 「一式」が出てきたら、内訳を必ず出してもらう
  • ページ数の数え方を揃えないと、比較にならない
  • 原稿と写真を誰が用意するかが、最大の追加費用ポイント
  • 修正回数と、その数え方を確認する
  • 公開後の年間費用まで含めた「総額」で比べる
  • ドメイン名義・データ引き渡し・最低契約期間は、契約前に必ず確認する
  • 納期は「何を起点に数えるか」まで聞く
  • 相見積もりは、全社に同じ条件を渡す。予算も伝える
  • 安さも高さも、理由を説明できるかどうかで判断する

Longworksでは、荒川区・町屋を中心に 個人事業主・小規模事業者向けのホームページ制作をお手伝いしています。 料金は料金ページに公開しており、含まれるもの・含まれないものも記載しています。 他社さまのお見積りについてのご相談も承ります。 費用相場そのものは荒川区でホームページ制作の費用はいくら?もあわせてご覧ください。