お店や事務所を探すとき、Googleで検索する代わりに、 ChatGPTやGeminiのようなAIに「町屋で静かに食事できる店は?」と聞く人が出てきました。 AIは、ウェブ上の情報をもとにそれらしい答えを返してくれます。
では、その答えの中に、あなたのお店は出てくるでしょうか。 出てきたとして、営業時間や場所は正しく説明されているでしょうか。 一度も確かめたことがない、という方がほとんどだと思います。 この記事では、自分で確認するための具体的な聞き方と、 間違っていたときの直し方をまとめます。
先に結論:AIの回答を直接書き換える方法は、基本的にありません。直せるのは「AIが参照している元の情報」だけです。まず確認し、次に元の情報を揃えます。
なぜ、一度は確認しておくべきなのか
AIの回答は、ウェブ上に公開されている情報を組み合わせて作られます。 そのため、次のようなことが起こり得ます。
- 移転前の住所や、変更前の営業時間で説明される
- 名前の似た別のお店と混同される
- 情報が少ないために、実際にはない特徴を推測で書かれる
問題は、読む側がその回答を確かめずにそのまま信じることがある点です。 「出てこない」ことよりも、「間違って出てくる」ことのほうが損失は大きい場合があります。 定休日に来店されてしまえば、そのお客様は二度と来ないかもしれません。
AIに見つけてもらうためのサイト作りについては ChatGPTやAI検索に自社サイトを見つけてもらうにはで解説しています。 この記事はその手前、「今どう見えているか」を確かめるための手順です。
確認の手順:5つの質問で聞いてみる
どのAIで確かめるか
AIの種類によって、参照している情報も答え方も違います。 1つだけで判断せず、普段お客様が使っていそうなものを2〜3種類試してください。 代表的なのは、ChatGPT、Gemini、そしてGoogle検索の結果の上部に表示される「AIによる概要」です。
聞き方
次の5つを、店名と地域名を入れ替えてそのまま使ってください。 質問ごとに、確かめたいことが違います。
| 質問 | 確かめること |
|---|---|
| 「[店名]([地域名])について教えてください」 | そもそも認識されているか。どんな店として説明されるか |
| 「[店名]の営業時間と定休日は?」 | 事実が正しいか。古い情報が残っていないか |
| 「[地域名]で[業種]を探しています。おすすめは?」 | 店名を知らない人に、候補として挙がるか |
| 「[店名]の特徴は? ほかの店と何が違う?」 | 自分が伝えたい強みと、AIの説明が一致しているか |
| 「その情報はどこで確認できますか?」 | AIが何を参照しているか。公式サイトが挙がるか |
3つめの質問では、地域名を駅名・町名・区名など何通りか変えてみてください。 お客様が実際にどの言葉で探すかは、人によって違います。
記録を残す
AIの回答は、同じ質問でも聞くたびに少しずつ変わります。 確認した日付、使ったAI、質問、回答を、スクリーンショットなどで残しておきましょう。 直したあとに変化があったかを比べる材料になります。
よくある結果と、その原因
確認してみると、たいていは次のどれかに当てはまります。 原因ごとに、見直す場所が決まっています。
| 結果 | 考えられる原因 | まず見直す場所 |
|---|---|---|
| 店が出てこない | 公式サイトがない、または情報が少ない。ほかのサイトで名前が出ていない | 公式サイトの本文、Googleビジネスプロフィール |
| 情報が古い | 移転前・変更前の情報が、どこかに残っている | 過去に登録したポータルサイト、閉じたブログ、SNSのプロフィール欄 |
| 別の店と混同される | 店名が似ている。住所や店名の書き方が媒体ごとにバラバラ | 店名・住所・電話番号の表記 |
| 事実でない特徴を言われる | 具体的な情報が少なく、推測で補われている | 公式サイトに、具体的な事実が書かれているか |
直し方:AIが参照する「元の情報」を揃える
AIによっては、回答に対して「よくない」と評価したり、 フィードバックを送ったりする機能があります。 誤りを見つけたら報告しておいて損はありませんが、 それだけで直ると考えないほうが安全です。 根本的には、AIが読みに行く元の情報を正すしかありません。
1. 公式サイトに、正しい情報をはっきり書く
店名・住所・電話番号・営業時間・定休日は、 画像ではなく文字で、トップページかアクセスページに書いてください。 画像の中の文字や、PDFのメニュー表の中だけに書かれた情報は、 読み取られにくくなります。
2. Googleビジネスプロフィールを最新にする
地図検索に表示される情報は、多くのサービスが参照する情報源の1つです。 営業時間の変更や臨時休業は、ここにも必ず反映してください。 設定の手順はGoogleビジネスプロフィールの作り方・活用ガイドにまとめています。
3. 店名・住所・電話番号の表記を揃える
「1-2-3」と「1丁目2番3号」、「〇〇店」と「〇〇」。 人間なら同じ店だと分かっても、表記が違うと別の情報として扱われることがあります。 公式サイト、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイト、SNSのすべてで、 一字一句同じ書き方に揃えます。 この考え方はローカルSEOの基礎でも重要なポイントとして扱っています。
4. 古い情報を探して、消すか直す
見落としやすいのがここです。開業当初に登録したポータルサイト、 更新をやめたブログ、使っていないSNSのアカウント。 それらに残った古い情報が、AIの回答に混ざることがあります。
- 店名で検索して、2〜3ページ目まで目を通す
- 自分が登録した覚えのある媒体を書き出す
- ログインできるものは修正し、使わないものは閉じる
- ログインできないものは、運営元の問い合わせ窓口に修正を依頼する
5. 公式サイト以外で、名前を出してもらう
自分のサイトに書いてあるだけでなく、 ほかのサイトでも同じ内容が書かれているほど、情報は確かなものとして扱われやすくなります。 地域の商店会や団体のページ、取引先の紹介、お客様のクチコミなどです。 クチコミの集め方はGoogleクチコミの集め方と返信を参考にしてください。
すぐには直らない、と知っておく
元の情報を直しても、AIの回答に反映されるまでには時間がかかります。 どのくらいかかるかは、AIの種類や仕組みによって異なり、一概には言えません。 数日で変わることもあれば、しばらく古い説明が残ることもあります。
また、回答は聞くたびに変わるため、1回の結果で一喜一憂しないことも大切です。 すべてを完璧に直すことを目標にせず、優先順位をつけてください。
最優先で直すべきは「来店や連絡に直接影響する誤り」です。営業時間・定休日・住所・電話番号、そして「閉店した」と説明されているケース。特徴の説明のずれは、その後で構いません。
定期的に確かめる習慣をつける
一度確認して終わりではなく、次のタイミングで同じ5つの質問をしてみてください。
- 営業時間・定休日・料金を変えたとき
- 移転したとき、店名を変えたとき
- ホームページを新しくしたとき
- それ以外は、季節の変わり目など、思い出したときに
記録を残しておけば、前回との違いがすぐに分かります。 手間は1回15分ほどです。お客様がAIに何と言われてあなたのお店に来ているのかを知る、 数少ない手段でもあります。
まとめ
- AIの回答は直接は直せない。直せるのは、AIが参照する元の情報
- 5つの質問で、認識されているか・事実が正しいか・候補に挙がるかを確かめる
- 公式サイトに、店名・住所・電話・営業時間を文字で書く
- 全媒体で表記を揃え、古い情報を探して消す
- 反映には時間がかかる。来店に直結する誤りから優先して直す
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